どうも、HPのフラッグシップ2in1を2週間ガッツリ使い込んだタケイ(@pcefancom)です。
今回レビューするのは、HPのビジネス向け最上位ライン「EliteBook X」シリーズの2in1モデル「HP EliteBook X Flip G2i 14 AI PC」です。
正直に先に言ってしまうと、私が今年触ったビジネスノートの中でも、これはかなり完成度が高い一台でした。デザイン、パフォーマンス、拡張性、セキュリティ、どれを取っても「オール4点以上」という感じで、火の打ちどころがありません。
ただ、価格はそれなりにしますし、解像度や重さなど「ここは惜しいなあ」と感じた部分もあります。2週間使ってきた中で見えてきた良し悪しを、いつも通り主観たっぷりに書いていきます。

HP EliteBook X Flip G2i 14 AI PC の特徴とスペック

まず、このパソコンがどういう立ち位置の製品なのかをざっくり押さえておきます。
ポイントは次のあたりです。
画面が360度回転するコンバーチブルタイプで、CPUにIntelの最新世代Core Ultra X7を搭載。メモリは最小構成でも32GBからと大容量で、のぞき見を防ぐプライバシーフィルター「HP Sure View」を内蔵しています。さらにHP独自のセキュリティソフト群が標準で入っているのも、個人向けモデルとの大きな違いです。
スペックの詳細は以下の通りです。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 製品名 | HP EliteBook X Flip G2i 14 AI PC |
| OS | Windows 11 Pro |
| CPU | インテル Core Ultra X7 プロセッサー 358H(最大50 NPU TOPS) |
| グラフィックス | インテル Arc グラフィックス(CPU内蔵) |
| メモリ | 32GB(オンボード LPDDR5X) |
| ストレージ | 1TB M.2 SSD(PCIe NVMe) |
| ディスプレイ | 14.0インチ・WUXGA(1920×1200)・ノングレア・タッチ対応・16:10 |
| リフレッシュレート | 60Hz |
| 形状 | 360度回転コンバーチブル(2in1) |
| ペン | HP AESリチャージブルペン標準付属(本体格納・充電対応) |
| セキュリティ | HP Sure View(プライバシーフィルター)、HP Wolf Security、Sure Click、Sure Start ほか |
| 認証 | 指紋認証、顔認証、PIN |
| インターフェース | Thunderbolt 4(USB-C)、USB-A、HDMI、ヘッドホン/マイク端子 |
| 通信 | Wi-Fi 7、Bluetooth、(モデルにより5G/LTE対応) |
| 本体素材 | マグネシウム合金ボディ |
| 厚さ | 約17.2mm |
| 重量 | 約1.457kg(最軽量構成) |
CPUのCore Ultra X7 358HはNPUを内蔵したAI世代のチップで、Copilot+ PCの要件もクリアしています。メモリ32GB・ストレージ1TBという構成が「最小」というあたりに、このモデルの本気度が出ているなと感じます。
HP EliteBook Xシリーズの位置づけ
HPのノートは大きく分けて、個人向けの「OmniBook」と、法人・ビジネス向けの「EliteBook」「ProBook」に分かれます。今回の「EliteBook X」はその中でも最上位のフラッグシップに当たるラインです。
ざっくり整理すると、こんなイメージです。
| シリーズ | 位置づけ | 主な特徴 |
|---|---|---|
| EliteBook X | ビジネス向け最上位 | マグネシウム合金、高度セキュリティ、プライバシーフィルター内蔵 |
| EliteBook(無印) | ビジネス向け標準 | 堅牢性とセキュリティを両立した王道モデル |
| ProBook | ビジネス向けエントリー | コストを抑えた法人向け |
| OmniBook | 個人向け | デザインや軽さ重視、ハイエンドから普及帯まで幅広い |
| Omnibook Aero | 個人向け軽量 | 1kgを切る軽さが最大の武器 |
つまり今回のEliteBook X Flip G2iは、HPのビジネスノートの中でも「全部入りのプレミアム機」という立ち位置になります。だからこそ素材もセキュリティも妥協がないわけですね。
HP EliteBook X Flip G2i 14 AI PC を7つの視点でレビュー
ここからは、私がいつもやっている7つの視点でレビューしていきます。
(1)外観デザイン|高級感があって洗練されている
外観のデザインは、さすがビジネスPDの最上位だけあって、非常に高級感があります。
艶消し(マット仕上げ)のボディで、指紋が目立ちにくく、見た目もシックです。ヒンジ、トラックパッド、キーボードの質が、それぞれ個人向けとは一線を画す高品質・高耐久な作りになっていて、持っているだけでラグジュアリー感があります。
キーを押してもたわみは一切ないですし、天面を軽くひねっても剛性の高さが伝わってきます。マグネシウム合金ボディの恩恵がしっかり出ているなあと感じました。


(2)パフォーマンス|ハイエンドだけあって動作はサクサク、軽めのゲームも動作OK
パフォーマンスも、さすがハイエンドだけあって満足度が高いです。
メモリが32GBあるので、Chromeのタブを20枚ほど開いてもメモリがいっぱいになることはありませんでした。実際にタスクマネージャーで確認しても、32GBに対して使用量は14〜15GB程度で、まだまだ余裕があります。CPUもコア数が多く、PC作業やオフィス作業、ビジネス用途で行うような処理は何の不満もなくこなせました。

参考までに、ゲーミング用途も気になる方向けに「ファイナルファンタジー」のベンチマークを計測してみました。結果は以下の通りです。
| 設定 | 評価 |
|---|---|
| 標準品質 | かなり快適(3D性能が高いという評価) |
| 高品質 | 普通 |
標準品質では「かなり快適」、3D性能が高いという評価が出ました。高品質設定だと「普通」止まりなので、AAAタイトルをガッツリ遊ぶのは厳しいですが、カジュアルなゲームなら問題なく動くレベルです。
この結果から見ても、軽い映像編集くらいの作業なら問題なくこなせるはずです。バリバリの4K動画編集や重量級ゲームのためのマシンではない、というあたりが正直な評価ですね。


(3)ディスプレイ|ノングレアで見やすい
ディスプレイは、ビジネスパソコンとしてすごく良いです。
タッチ対応の2in1というと、光沢タイプで映り込みが激しいものになりがちですが、このモデルはしっかりノングレアが入っていて映り込みが少なく、長時間使っていても目が疲れにくいです。HP独自の「HP Eye Ease」というブルーライト低減機能も入っています。
そして特筆したいのが、プライバシーフィルターを内蔵している点です。ボタン一つで斜めから画面が見えなくなるので、外で作業するときの安心感がまるで違います。通常はプライバシーフィルターを別途買って貼る必要があるので、その手間もコストもゼロで済むのは大きなメリットです。
リフレッシュレートが60Hzなのはちょっと残念ですが、ビジネス用途として考えれば及第点です。

(4)拡張性|ノートパソコンとしては文句なし!HDMIもあり
拡張性も、さすがEliteBookだけあって高いです。
USB-C(Thunderbolt 4)、USB-A、HDMI、イヤホンジャックがしっかり備わっているので、ノートパソコンとしてはこれ以上ない拡張性だと思います。HDMIが直挿しできるのは、外部モニターやプロジェクターに繋ぐ機会が多いビジネス用途では本当に助かります。


唯一、SDカードスロットがないのは個人ユースとしては少し残念でした。ただ、ビジネス系はセキュリティの観点であえて付けないことが多いので、このクラスとしては妥当なところです。
(5)使いやすさ|全体的に快適
ここからは少し感覚的な話になりますが、使いやすさはかなり極上に近いものを感じました。EliteBookシリーズは、総じて全体の使い勝手がよく考えられているなあと改めて思います。
キーボードは日本人好みの打ちやすいレイアウトで、動作も「もっさり感」が一切ありません。Windowsの低スペック機にありがちなストレスとは無縁です。ノングレア液晶も相まって、ビジネスパソコンとしての使い勝手は非常に上々でした。

(6)持ち運びのしやすさ|2in1にしては持ち運びしやすい
持ち運びのしやすさは、合格点というところです。
HPのパソコンはどうしてもそれなりに重さがあるものが多く、国内メーカーのように1kgを切るモデルはAeroシリーズ以外にはほぼありません。この2in1も約1.457kgあるので、持った瞬間に「軽い」とはなりません。どちらかと言えば「頑丈だな」と感じる重みです。
とはいえ、背面にゴム足があってそれが取っ手代わりになり持ちやすいこと、そして1.5kgを超えていないことから、持ち運びにくいとまでは言えません。「非常に持ち運びやすい」とは言えませんが、及第点は十分に付けられる重さに収まっています。
(7)バッテリー|これまでのIntelパソコンと変わらない
バッテリーは、Intelモデルとしてはこれまでと変わらない印象です。
低負荷の作業をしているときは、結構バッテリーの持ちの長さを感じます。2026年モデルになってバッテリー性能自体は伸びていると感じました。ただ、「ファイナルファンタジー」のベンチマークなど高負荷の処理を回すと、1時間で20%減るくらいの勢いで急激に消費するのは相変わらずです。
そのため実稼働時間は、高負荷作業をすればカタログスペックの3分の1から4分の1程度になる、という従来のIntel機の傾向と変わりません。バッテリーに関しては及第点といったところで、劣化が進めばさらに短くなっていくと思います。
HP EliteBook X Flip G2i 14 AI PC を使ってよかった点(メリット)
ここからは、2週間使って良かったところを主観たっぷりに紹介していきます。
(1)ボディの質感がすばらしい、高級感がある
やはり一番に挙げたいのがボディの質感です。
天面、背面、底面、キーボード面に至るまで、筐体の素材に一切の妥協がありません。プラスチックではなく、高級なマグネシウム合金を採用していて、剛性が高く、たわみも全くない。「これなら長く使い続けられる」と感じさせてくれる質感で、この辺りは流石の一言に尽きます。
個人向けのOmniBookも素晴らしい製品ですが、このモデルはそれ以上に洗練された印象を与えてくれました。

(2)キーボード、トラックパッドが打ちやすいレイアウトになっている
次に良いなと思ったのが、キーボードとトラックパッドのレイアウトです。
HPのパソコンの本当に素晴らしいところは、キーボードのレイアウトをグローバルの金型(US配列)に無理に合わせていない点です。日本人向けに最適化されていて、円マークや半角全角キーが大きく、伝統的な使いやすさがしっかり引き継がれています。
カーソルキーも正方形ではなく逆T字型なので、タイピングがしやすい。トラックパッドもとても大きく、スクロールなどの操作がスムーズで、使いやすさしか感じませんでした。
それに加えて、HP独自のセキュアブラウザやPolyのウェブカメラアプリなど、仕事に便利な機能が最初から揃っているのも良かったです。
銀行取引やビジネス上のやり取りをセキュリティを高めたChromeベースのブラウザで行えますし、マルウェア対策ソフトも標準で入っているので、別途ウイルス対策ソフトを買う必要がありません。さらにHPが買収したPolyのカメラアプリで、背景の編集・スタジオ効果・配信設定が別アプリなしで完結します。仕事に必要なものが最初から入っているのは、地味ですが本当に使い勝手が良いです。

(3)ペンも使いやすい、手書きノートにも使える
付属のHP AESペンも使いやすかったです。
4096段階の筆圧に対応していて、画面に書いたときの追従性も良好。何より、本体側面の格納庫に挿すだけで充電される仕組みなので、充電切れや紛失の心配がありません。30秒の格納で最大2時間使えるので、サッと取り出してメモを書く、という使い方が気軽にできます。
そして後述するノングレア液晶のおかげで、書いているときに映り込みがなく、紙に書いている感覚に近いのが良かったです。


(4)ノングレアな液晶がナイス!長時間使っていても目が疲れない
ディスプレイのノングレア液晶も、すごく良かった点です。
タッチパネル対応の2in1というと、光沢があって映り込みが激しいタブレットのようなディスプレイが多いのですが、これはビジネス向けということもあって、タッチパネルなのにノングレアで映り込みがありません。
長時間使っても目の負担が少なく、めがしょぼしょぼしないのがよかったです。

(5)指紋、顔認証あり、プライバシーフィルター内蔵はやっぱり便利、どこで使っても安心
地味ながら便利だったのが、認証機能とプライバシーフィルターです。
指紋認証、顔認証、PIN認証が選べるので、作業をスムーズに始められます。そしてプライバシーフィルターが内蔵されていて、ボタン一つで隣から画面が見えなくなるように設定できる。カフェや人が多い場所でも安心して使えます。
仕事で使う上でプライバシーフィルターの内蔵は必須に近い機能なので、標準で備わっているのはさすがだなと感じました。


HP EliteBook X Flip G2i 14 AI PC を使ってきになった点(デメリット)
良いところばかり書いてきましたが、気になった点も正直に紹介します。
(1)重さはそれなりにある、持つとズシッとはなる
やはり持つと羽のように軽い、とはなりません。約1.457kgあるので、持つとずっしりと重く感じる部分はありました。
これはHP製品全体に言えることかもしれませんが、軽さを追求するというより、堅牢性と重さのバランスをしっかり取っているという印象です。本当に軽いパソコンが欲しいなら、同じHPでもPavilion Aeroシリーズを選んだ方がいいです。クラムシェル型にはなりますが、その分1kgを切る軽さになります。「軽さを取るか、オールマイティーさを取るか」というところで選べばいいかなと思います。

(2)解像度はフルHD、リフレッシュレートは60Hzと普通
あと惜しかったのが、解像度とリフレッシュレートです。
今回の14インチモデルは1920×1200ドットで、リフレッシュレートは60Hz。最近は他社のビジネス向け14インチでも、2K解像度だったり120Hz対応だったりするものが増えてきています。120Hzあると画面の動きが滑らかで快適ですし、目も疲れにくいんですよね。
プレミアムなEliteBookだからこそ、ディスプレイにももう少しこだわった高解像度モデルの選択肢があってもよかったなあと感じました。2K液晶や高リフレッシュレートが欲しい方は、上位構成のEliteBook X G2i(3K液晶モデル)や、OmniBookのハイエンドシリーズを検討するのも手です。
HP EliteBook X Flip G2i 14 AI PC 実機レビュー総評|仕事用のパソコンとしては満足しかないハイスペックパソコン
最後に総評です。
仕事用のパソコンとしては、満足感しかないハイスペックな一台でした。実際に使ってみて、デザインはもちろん、パフォーマンス、ディスプレイ、拡張性まで、全ての面で「オール4点以上」という印象です。本当に火の打ちどころがありません。
価格はそれなりに高いですが、その分の価値は十分にあると思います。重さとディスプレイのスペックという2点だけ目をつぶれれば、ビジネス2in1としてはほぼ理想形と言っていいです。
こんな人におすすめ
具体的には、次のような方に間違いなく刺さるモデルです。
| おすすめできる人 | 理由 |
|---|---|
| 仕事用に快適かつ安全に使えるパソコンが欲しい | プライバシーフィルター内蔵・HP Wolf Securityなどセキュリティが手厚い |
| タブレット利用や手書き入力を重視する | 360度回転+ノングレア+充電式ペンで手書きが快適 |
| 重いゲームや4K動画編集はやらない | 用途が明確なら性能を十分に持て余さず使い切れる |
仕事用に快適・安全に使えるパソコンが欲しい
プライバシーフィルターの内蔵、HP独自のセキュアブラウザ、標準のマルウェア対策ソフトと、外で安心して仕事ができる環境が最初から整っています。セキュリティを重視するビジネスユーザーには、これ以上ないくらいフィットします。
タブレット、手書きができるパソコンが欲しい
360度回転でタブレットモードになり、ノングレア液晶+充電式ペンで紙のような書き心地を実現しています。会議のメモやアイデア出しを手書きでやりたい方にぴったりです。
パソコンで重いゲームや4K動画編集はやらない
内蔵グラフィックなので重量級ゲームや4K動画編集には向きませんが、オフィス作業・ブラウジング・軽い映像編集が中心なら、性能を持て余すことなく快適に使えます。用途が明確な人ほど満足できるはずです。
AI機能(NPU搭載のCopilot+ PC対応)も含め、これから長く使い続けたいと考えている方は、ぜひ候補に入れてみてください。私としては、ビジネス2in1の本命としてしっかりおすすめできる一台です。
