どうもChromebookマニアのタケイ(@pcefancom)です。
今日はChromebookのシェアについての話題をお送りします。
MM総研の調べによると「GIGAスクール構想」で導入されたパソコンとして「Chromebook」がトップシェアを獲得。
2020年は327万台を出荷。割合にして「43.8%」のシェアを取ったそうです。
以下、具体的な調査内容について、Chromebookがトップシェアを獲得できたワケを紹介します!
GIGAスクールでChrome OSがトップシェア「43.8%」を獲得
MM総研の調査によると、2020年にGIGAスクールで調達した端末総数は748万7402台となったそうです。
OS別ではGoogle Chrome OSが327万8110台で最多となり、なんと「43.8%」のシェアを獲得しました。
自治体毎にOSの分布を見ると、最も台数の多いGoogle Chrome OSを搭載したChromebookは、特に人口密度の高い都市部での採用が多かったとのこと。大量展開が必要となる自治体ではキッティングが容易なChromebookに支持が集まったようです。
逆に管理台数が少ない地方では「Microsoft Windows」が多い結果に。「iPadOS」は小学校低学年や特別支援学級、特別支援学校などキーボードレスでの入力活用を想定するケースでの採用が多い傾向となっているようです。
クラウド活用の状況について尋ねるとGoogleの「G Suite for Education」が54.4%、「Microsoft365」が38.4%と、こちらもGoogleが優勢になっています。
Chromebookがトップシェアを獲得できたワケ
今回の結果は驚きをもって受け止めた方も多いのではないでしょうか。
2019年時点でメーカーの方と話していても、ここまでのシェアを予想していなかったです。
「多く見積もって30%程度は行くのではないか?」
みたいな声が大多数でした。
蓋を開けてみれば「43.8%」とほぼ半分のシェア。高い人気となっています。
このようにChromebookが優勢なのには以下のような理由が考えられます。
Chromebookは「iPad」に比べて短納期、低価格
一番はやはり端末の価格の安さでしょう。
GIGAスクール向けの端末は、代理店価格だと5万円を切るものがほとんど。ボリュームディスカウントで3万円台前半というのはざらです。
ちなみに「GIGAスクール」では
「仕様にあったスペックにすれば4.5万円まで補助」
というのがあります。
この点でChromebookは「スペック」「価格」の面でカバー。納期も短期でOKだったというのが大きいと思います。
GIGAスクール構想の実現標準仕様書
https://www.mext.go.jp/content/20200303-mxt_jogai02-000003278_407.pdf
ちなみにGIGAスクールのスペックは以下のようになっています。
管理システム(Google WorkSpaces、管理コンソール)も他OSに比べて安価
加えて管理システムの導入が安価という面も大きいですね。
管理システムとして
- ユーザー管理:Google WorkSpace for education(生徒ごとのGoogleアカウント)
- 端末管理:Chrome管理コンソール(ポリシーと端末リモート管理)
の2つがありますが、どちらも非常に低コスト。
「Google WorkSpace for education」は基本的に無料、「Chrome管理コンソール」も端末ごとに4,200円で買い切りとなっています。
Windows端末とMicrosoft365アカウントをセットで管理しようとすると、ActiveDirectoryやMDMアプリが必要です。
管理システムのコストという面でChromebookに軍配が大きく上がったのでしょうね。
管理システム(Google WorkSpaces、管理コンソール)が非IT管理者にやさしい
加えて、管理システム(Google WorkSpaces、管理コンソール)は「非IT管理者」に優しいのも特徴です。
端末のキッティング、グループポリシーの設定、リモートワイプなどがすべて「ブラウザ」だけですみます。
ポリシーの設定も、画面のメニューを読めばわかりますし、操作もマウスをポチポチだけでOKです。Windowsの「ActiveDirectory」のようにGPOやレジストリエディタをイジる必要もありません。
学校にはIT知識を持った管理者がいるというのは稀です。
「ITに精通した管理者がいなくても運用が楽」
というのが、アドバンテージになったのでしょうね。
「Google Classroom」は先生にとってもハードルが低い
こちらは伝聞によるところですが「Google Classroom」も同様に使う先生にとってもハードルが低いとのこと。
クラスの設定、生徒のドキュメント管理などをすべてブラウザで行うことができます。
専用アプリをインストールして、操作を覚えるのに比べて、スムーズに入れるようです。
「先生への受けが良かった」というのは大きな要因になったのだと思います。
Chromebookの機能と仕組みで学校は必要十分だった
そもそも学校授業用であれば「Chromebook」で十分だったというのも大きいでしょう。
授業用コンテンツはウェブアプリがあれば間に合うものがほとんど。
加えて
「先生と生徒のコラボレーションもウェブアプリがあれば十分」
「わざわざアプリを入れさせるほうが手間」
という事情もあります。
「Chromebookの手軽さ」が学校の現場にはうまくマッチしたのだと思います。
Chromebook(Chrome OS)が日本でも完全に定着へ
以上、GIGAスクールのパソコン選びで「Chromebook」がトップシェアを獲得したというニュースのお知らせでした!
Chromebook野郎的にはこの流れは嬉しい限りです(笑)
何より嬉しいのが学校でどんどん採択されていっているところですね。
自治体はITの更改にかけられるリソースは限られいるので、一度採択した仕組みはそう簡単には変わりません。導入されればずっと使い続けるのが自治体です。
結果として「初めてのパソコン=Chromebook」という層が増えてくる。
そうなれば、ビジネスへも波及していくのは間違いありません。
ある意味、ようやくChromebook(Chrome OS)が日本でも完全に定着したのかなと感じます。
公立小中学校1人1台環境でChrome OSがトップシェア ≪ プレスリリース | 株式会社MM総研
https://www.m2ri.jp/release/detail.html?id=475